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牛の病気

牛にも人間同様、さまざまな病気があります。その中でも特徴的なものを以下にあげます。

1 乳房炎

乳牛は1年に約8,000㎏(ドラム缶40本分)もの生乳を出します。このため、牛の乳房には大きな負担がかかります。乳房炎は、「牛の職業病」ともいえます。
原因の多くは、細菌や酵母などの微生物が侵入し、乳腺が炎症を起こすことです。
このため、酪農家は病気に強い元気な牛を育てるとともに、牛の生活環境をきれいにしたり、搾乳の前後に乳頭をきれいにし・消毒したりして乳房炎を予防しています。
もし、乳房炎になった場合は、その生乳は出荷しません。治療をして、治ってからになります。

2 胃腸の病気

牛は植物を消化するため4つの胃を持っており、大きく構造は複雑です。また、毎日大量の飼料(30㎏以上)を消化するため胃への負担は大きく、胃の病気もたくさんの種類があります。
鼓脹症という病気は、胃の内部で異常発酵が起こり、胃が文字通り「鼓」のように膨らんでしまい、最悪の場合牛は死んでしまいます。薬で治療したり、手術を行うこともあります。
第四胃変位という病気は、4番目の胃が通常の位置から左や右に動いてしまうため、牛の食欲・元気がなくなってしまいます。多くは、手術により治療します。

3 子牛の病気

人間と同じで、子牛もよく風邪をひいたり、下痢をします。多くは、細菌やウイルスの微生物が原因です。母牛の初乳(分娩後数日の乳)は、子牛にとって栄養が豊富で、これら微生物に対する免疫物質(抗体など)を含んでいるので、十分に飲ませます。各種のワクチンや、子牛の飼養場所を清潔にし、換気をよくすることにより病気を予防します。

4 伝染性の病気

牛の伝染病には、牛特有のものと人間にも感染するものがあります。重要な病気はワクチンによって予防したり、人間に影響のあるものは家畜保健衛生所を中心に定期的に検査したりして、発生の予防やまん延防止に努めています。
近年、もっとも話題になったのが牛伝達性海綿状脳症(BSE)です。ヨーロッパから輸入された肉骨粉が原因とされていますが、現在では動物の飼料の法律的な規制により新たな感染の心配はありません。また、と畜場における検査や危険部位の除去により、日本の牛肉は安心して召し上がっていただけます。


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