1 牛のエサについて
牛のエサは、粗飼料と濃厚飼料の2種類に大きく分けられます。
  1. 粗飼料
    牛のエサの中で、草または草から作られたエサのことを指し、牛の消化器機能を安定させるために必要な繊維質を大量に含んでいます。
    粗飼料の原料となる草は、本県では、飼料用トウモロコシや、イタリアンライグラスなどの牧草が主で、乾燥させたり(乾草)、発酵(サイレージ)させたりして給与するのが一般的です。
    また、近年、飼料用の稲を利用する取り組みも増えてきています。
    粗飼料だけで栄養を満たせない場合には、穀物を中心とした濃厚飼料も必要になります。

  2. 濃厚飼料
    デンプンやタンパク質含有量が高いエサで、原料はトウモロコシ、大豆、綿実、麦などがあり、こういった原料を数種類混合して販売することが多いので、配合飼料と呼ばれることもあります。

2 本県で作付されている主な飼料作物について
  1. 飼料用トウモロコシ
    飼料用トウモロコシは、飼料作物の中で、面積当たりの収穫量が最も多く、栄養価も高く、牛も好んで食べる優れた作物です。

    • 播種時期:4月下旬~6月下旬
      (平均気温10℃以上で播種可能、目安はソメイヨシノが咲くころ)
    • 収穫時期:8月中旬~9月下旬
    • 収穫適期:黄熟期(乾物率30%前後)に収穫すれば発酵品質の良い優良なサイレージになる。
      黄熟期はミルクラインで判断する。ラインが実の半分あたりに達する。(写真参照)
    • 利用方法:茎も実も一緒に刈り取り、ホールクロップサイレージとして利用。
      黄熟期はミルクラインで判断する。ラインが実の半分あたりに達する。(写真添付)
    • 栽培状況:本県では約4,900haほど作付けされており、飼料作物作付面積全体の約3割を占めている。(H19)
  2. イタリアンライグラス
    イタリアンライグラスは、イネ科の牧草で、秋に種をまき、春に刈取りをする冬作物のなかでも面積当たりの収穫量が多く、牛も好んで食べる飼料作物です。また、一度刈り取った後、再生するため、年に2~3回刈取ができます。

    • 播種時期:9月上旬~10月中旬
    • 収穫時期:5月上旬(1番草)、6月上旬(2番草)
    • 収穫適期:出穂期(全体の50%が出穂した時期)
    • 利用方法:ロールベールサイレージとして利用。 ※刈り取ったあと、1~2日天日にさらして予乾し、ロールベーラで円筒状のロール成形後、フィルムでラッピングし、貯蔵する。(写真参照)
    • 栽培状況:本県では、約7,800haほど作付されており、飼料作物作付面積の約6割を占めている。
  3. 飼料用稲について
    飼料用稲は、食用稲と同じような管理で栽培できるため、水田転作作物として注目されており、取り組みは年々拡大しています。
    飼料用稲には、稲発酵粗飼料と、飼料米の2種類があります。

    1. 稲発酵粗飼料(稲ホールクロップサイレージ)
      稲の米粒が完熟する前に、穂と茎葉をまとめて刈り、ロールベールサイレージとして利用します。
    2. 飼料米
      コンバインで飼料用のお米を収穫し、乾燥、粉砕して配合飼料などほかのエサに混ぜて利用します。

    <用語説明>
    ・サイレージ:飼料作物を密封し、空気を遮断して乳酸発酵させたもの。
    発酵させることで飼料の保存性が良くなり、独特の香りにより家畜が好んで食べるようになります。
3 本県の奨励品種・認定品種について
奨励品種・認定品種とは、本県における栽培性と収量性に優れた品種のことです。
飼料用トウモロコシでは12品種、イタリアンライグラスについては7品種指定しています。
(一覧は下記リンクより表1、2をご参照ください。)
特に、飼料用トウモロコシは、品種の改廃が早いので、これらの品種を選ぶことで安定的に高い収量を得ることができます。
奨励品種、認定品種を利用して、安定的な収量を確保しましょう
写真
(1)飼料用トウモロコシ
1)草姿 2)ミルクライン
草姿 ミルクライン
(2)イタリアンライグラス収穫調製の様子
1)ロールベーラ 2)ロール成形後
ロールベーラ ロール成形後
3)ラッピングの様子 4)ラッピングしたロール
ラッピングの様子 ラッピングしたロール
(3)飼料用稲
1)稲発酵粗飼料専用収穫期での収穫の様子  
稲発酵粗飼料専用収穫期での収穫の様子