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皮膚病について

全身を毛に被われている動物の皮膚にも、人と同じように外からのさまざまな刺激や病原体などから身体を守るバリアー機能が備えられています。そのため外的および内的刺激により、種々の反応が生じます。皮膚病とは皮膚が病的に反応した状態です。

現在、小動物の皮膚科領域では400以上の疾患が報告されていて、大まかに次のように区分されます。

感染症: ウイルス、細菌、真菌、寄生虫が体内に侵入することで発症します。膿皮症、皮膚糸状菌症、ニキビダニ症など。
アレルギー疾患: 生体に有害な免疫反応によって引き起こされる慢性の掻痒性皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎など。
角化症: 皮膚の最外層を構成する角質細胞に異常を認める皮膚疾患です。
内分泌疾患: 内分泌異常により生じた皮膚疾患です。クッシング症候群、甲状腺機能低下症など。
免疫介在性疾患: 上記のアレルギー疾患を除く、免疫系の破綻により生ずるもので、自己免疫疾患などが含まれます。天疱瘡、エリテマトーデスなど。
先天性疾患: 出生時に存在するある種の素因、奇形などにより発症する疾患です。家族性皮膚筋炎、皮膚無力症など。
腫瘍: 腫瘍細胞よりなる皮膚疾患です。扁平上皮癌、肥満細胞腫、皮膚組織球腫など。
その他: 病態が明らかにされていない疾患などです。若年性蜂窩織炎、皮下脂肪織炎など。

しかしながら、それぞれ異なる皮膚病であっても、臨床症状がとても似かよっている場合が多く、診察室で示している皮膚症状から、すぐにその原因を特定できるとは限りません。動物の皮膚病を正確に把握するためには、診断に十分な時間を費やし、正確な情報を獲得する必要があります。詳しい病歴の聴取、現症の把握、そして必要に応じた各種検査を実施します。治療にはシャンプー療法などの外用療法、抗生物質、消炎剤、抗ヒスタミン剤、ホルモン剤、抗腫瘍剤などによる全身療法、また皮膚と食餌はきわめて密接な関係にあるため食餌療法も汎用されます。さらに疾患によっては、長期もしくは一生涯におよぶ管理が必要となります。
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