白内障とは眼球のレンズ部分「水晶体」が白く濁る病気です。 視力が低下して、散歩に行きたがらない、歩き方がぎこちなくなる、物にぶつかる、段差などでつまずく、ジャンプが出来なくなるなどの症状を示します。
瞳孔の奥のレンズ部分だけが濁るものが白内障です。眼球全体(角膜部分)が濁るものは白内障ではありません。
加齢と共に水晶体が青白くなる「核硬化症」という状態がありますが、見た目では初期の白内障との鑑別が付きにいので動物病院での検査をお勧めします。
原因は先天性のものと後天性のものに分類されます。
先天性として遺伝によるものとされている若齢性白内障があります。5歳齢までに見えなくなるものですが、生まれつき目が見えないものもあります。親や兄弟の詳細な病歴を明らかにする必要があるでしょう。
後天性のものは老齢性、糖尿病性、外傷性、内分泌性、中毒性などがあります。その中でも犬で最も多いのが老齢性の白内障で、犬では6~8歳齢以降、猫では12歳齢以降で見られます。
白内障の病期は次のように分類されます。
初期: | 混濁の開始の時期。部分的な濁りが見られます。 |
未熟期: | 混濁が進行し、その部位によっては視力が障害される場合があります。 続発的に緑内障が発症する時期でもあります。 |
成熟期: | 水晶体は全体的に白濁し、硬くなり、余分な水分が失われます。 眼底が見えなくなり、この時期までに動物は盲目になります。 |
過熟期: | 水晶体の脱臼、融解などが起こり、ブドウ膜炎、緑内障など重篤な合併症を併発することがあります。 |
白内障の治療
白内障の初期段階では点眼薬や内服薬またはサプリメントなどを使い内科的に治療を行います。しかし、治療の主目的は進行を遅らせることにあり、一度白濁した水晶体を透明に戻す程の治療効果は今のところあまり期待出来ません。
白内障が進行し視力が失われた場合、人間のような外科的な治療も可能になってきています。白濁したレンズを取り除き、人工眼内レンズを挿入します。
犬の年齢や健康状態、そして性格などによっても手術の成功率に差が出たり、それ以前に手術を受けられない場合もありますので、眼科に詳しい獣医に相談しましょう。
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