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犬の尿結石について

栃木県獣医師会

犬の尿結石症は、結石が尿の通り道である腎臓、尿管、膀胱、尿道にできて粘膜を刺激し痛みが生じたり、尿が排泄できなくなったりする病気です。

場合により、なかなか治らなかったり、再発を繰り返すこともあり、一生処方食などの食餌管理が必要となることもあります。

病気の原因をよく理解して改善しないと寿命が短くなることもあります。

犬の尿結石について 結石の種類

いくつかありますが、犬ではストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)、シュウ酸カルシウム、尿酸アンモニウムなどが多く見られます。これら結石の種類により原因が若干違ってきます。肉眼・X線検査・エコー検査などでわかるような大きさの結石と顕微鏡などで観察するとわかる結晶として区別できますが、結晶は結石の危険因子と言えます。

犬の尿結石について 原因

1:細菌感染(細菌が感染してPHが変化したり、結石の発生要因となります)

2:不適切な食餌やおやつ(結石の成分である、ある種のミネラルの過剰摂取)

3:尿のPH(結石結晶の種類により、酸性やアルカリ性になると析出してくる)

4:尿量や排尿回数 (尿量が少なければ尿は濃くなり結石・結晶はできやすくなる)

5:犬種(特定の犬種において 発生しやすい傾向がある)

症状

1:いつもと違うところで排尿する

2:血尿(尿に血が混じる。しかし薄い場合肉眼ではわからない)

3:ひん尿(何回も少量の尿を出し、痛がる、しぶる)

4:下腹部を触られるのを嫌がる(どこか痛そう、沈鬱な表情)

5:ぐったりして動けない、吐き気がある (結石によ る尿閉、腎不全)

来院時の検査

来院時には下記の検査をいくつか行うことがありますが、毎回行わないものもあります。

1:尿検査 (血尿、細菌の感染、結晶・結石の有無を調べます)

2:細菌検査 (場合により尿中の細菌を同定し、どの抗生物質が効くか調べます)

3:X線検査 (結石の有無をX線にて調べます。あまりに小さい場合や骨盤内は骨と重なって見つけられない

         場合があります)

4:エコー検査 (腎臓内・膀胱内の結石を見つけられる場合があります)

5:血液検査 (腎臓のダメージを確認します)

6:結石同定検査 (結石の成分が何かを調べます)

7:細胞検査 (膀胱内などに癌ができ、二次的に結晶・結石が発生することがあります)

治療

基本的には原因を除去することを行います。

完治が困難であったり、再発を繰り返す場合があります。

1:抗生物質  (感染細菌に効果的な抗生物質を投与)

2:結石・結晶を調べて食餌を改善 (おやつなどを止め、処方食主体にする)

3:尿のPHを管理する (尿酸化剤などを投与するとより効果的な場合がある)

4:尿量を増やす (水分をたくさん容易にとれるように管理する)

5:犬種  (犬種に関してはしょうがないので、できるだけ発生しないように注意するのと、早期に異常に気付いてあ

        げることが大切です。)

好発犬種

発生しやすいとされている犬種。しかし、必ずなるとは言えません。

ストルバイト:ミニチュア・シュナイザー、シー・ズー、ピション・フリーゼ、ミニチュア・プードル、コッカー・スパニエル、ラサ・アプソなど

シュウ酸カルシウム:ミニチュア・シュナイザー、シー・ズー、ピション・フリーゼ、ミニチュア・プードル、ヨークシャー・テリア、ラサ・アプソなど

尿酸塩:ダルメシアン、ヨークシャー・テリア シスチン:チワワ、ダックスフント

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