サイト内検索

公益社団法人 栃木県獣医師会

その他情報提供

  • ホーム
  • 栃木県獣医師会案内
  • 主な事業及び活動
  • 会員の病院検索
  • セミナー情報
  • 会員専用サイト

ノミ・ダニの予防について

ノミ・ダニは動物を吸血する虫です。

ノミは寄生しているペットを飼育しているあらゆる場所に見られます。さなぎから孵化した成虫はすぐに宿主となる動物を探します。また、一度宿主に寄生すると、ほとんどの場合移動することはありません。寄生したノミはグルーミングで届かない場所や届きにくい場所には注意が必要です。ノミの寄生は、ノミアレルギー性皮膚炎の原因になったり、瓜実条虫を媒介したりします。また、大量のノミに吸血された動物は貧血を起こしてしまうこともあります。

マダニは道端の植え込みや山や林、公園内に自生している草木の葉の先端などから散歩中のペットが発する二酸化炭素や振動や体温などに反応してペットめがけて跳びつき皮毛に潜り込んで吸血します。また、マダニは感染症(バベシア症やライム病)を媒介したり、大量に寄生すると貧血を起こしたりします。寄生しているマダニを見つけた場合に無理に引っ張ると、顎体部だけが残りその部分が化膿することがありますので、適切に処置をすることが望ましいです。

ノミ・マダニの予防はノミ・マダニの媒介する、様々な病気の予防にもつながります。

ノミ・ダニノミ・ダニの予防はしていますか

ペットの散歩にはノミ・ダニに遭遇する機会が多くあります。ノミ・ダニの予防または駆虫をせずにノミ・ダニが付着したままお家に帰ってしまうとペットに様々な被害を及ぼします。普段からノミ・ダニの駆虫薬を使用することをお勧めいたします。駆虫薬には様々な種類があり、それぞれ効能が違っています。ノミ・ダニだけに効く駆虫薬、ノミ・ダニ以外の寄生虫にも効く駆虫薬等の他に駆虫薬によっては投与の仕方や効果のある期間も違ってきます。

ノミ・ダニの性質

ノミ・ダニは同じ吸血をする虫ですが、それぞれの生態には違いがあります。

ノミの成虫の場合:
ノミは一度に産む卵の数は約10~50個と言われており、それらの卵は1~2日で孵化し脱皮やサナギを経て5~10日で成虫になります。ペットに寄生し吸血したノミは24時間~48時間後にその体の上で卵を産みつけます。卵は体から落下し、ペットの寝床やカーペット、畳などで孵化します。そしてまた成虫になったノミは大量にペットに寄生して吸血をするという悪循環になってしまいます。

ダニの成虫の場合:
ペットに寄生し吸血したダニはその体が膨れ上がり、吸血前の体重の100倍近くになるまで吸血することがあります。しかし、恐るべきことは吸血だけではありません。吸血してから48時間以降には様々な病原菌や寄生虫をペットの体内に送り込む媒介主でもあります。吸血し終えたダニはペットから離れ落ちて地上で卵を産みます。ノミと同様に孵化して成虫になったダニは前回より多くの脅威をペットに与えることになります。

ノミ・ダニによる被害

一度室内に卵を産みつけられてしまうと完全に駆除するのは難しくなり、今度は多くのノミ・ダニから吸血されてしまう恐れがあります。しかし、ノミ・ダニによる被害は吸血だけではありません。貧血や激しいかゆみによる擦過傷などの様々な症状に苦しむようになってしまいます。そしてノミ・ダニを家に持ち帰ってしまうのはペットだけではなく私たち人間も例外ではありません。またペット同様に人間もノミ・ダニの被害に遭うこともあります。ノミ・ダニが媒介する寄生虫や病原菌はペットを苦しめ、時に死に到らしめることもあります。下記の表ではノミ・ダニによる主な被害をまとめてみました。

ノミ
ダニ
ノミ・ダニに吸血される事に起因する犬・猫が発症する主な症状 ノミアレルギー性皮膚炎 アレルギー性皮膚炎
貧血 貧血
かゆみ かゆみ
ひっかく事による皮膚感染症 外耳炎
ノミ刺咬症 炎症性肉芽種
媒介する寄生虫とその症状 瓜実条虫(サナダムシ):慢性の軟便あるいは下痢や食欲減退あるいは亢進、進行性の削痩(病的にやせてしまうこと)、栄養不良および被毛失沢

バベシア:低体温、ショック、昏睡、DIC(播種性血管内凝固、血栓で全身の血管が詰まる重篤な病気)、代謝性アシドーシス

ヘモバルトネラ:元気および食欲の消失、粘膜の貧血と黄疸、血色素尿とビリルビン尿、軽度の発熱

犬ヘパトゾーン症:発熱、体重減少、嗜眠、貧血、高アルブミン血症、高グロブリン血症
人獣共通感染症 ペスト:全身の倦怠感、寒気、高熱、感染の仕方によって症状が分かれる。 ライム病:犬では神経症状、発熱、食欲不振
人間では感染初期に遊走性紅班、その後、皮膚症状神経症状、関節炎
間接的にノミ・ダニが媒介することで人間が発症する主な症状 猫ひっかき病:猫には症状は出ず、猫ひっかき病に感染した猫に人間が引っかかれたり咬まれたりすることでリンパ節が腫れて発熱や頭痛を起こす。猫ひっかき病に感染した猫から他の猫へノミが移ることで新たに感染し広がっていく。

ノミ・ダニに困ったら

ノミ・ダニの駆除を一度したからといってもう終わりではありません。ペットの生活環境にはまだノミ・ダニやその卵や幼虫などが潜んでいる場合もありますし、散歩をした時に新たにノミ・ダニに寄生されてくる場合もあります。そして駆虫薬には効果のある期間があります。一度駆虫したあとでも継続して予防し続けることがペットや我々人間の為にも必要です。

ノミ・ダニの被害または駆虫方法に困ったら掛かり付けの動物病院にご相談下さい。

公益社団法人 栃木県獣医師会
〒320-0032 栃木県宇都宮市昭和1丁目1-23
TEL:028-622-7793 FAX:028-621-9660