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犬や猫が肥満になるとどうなるの?

栃木県獣医師会

最近の犬猫は肥満の傾向にあると思われます。肥満になると犬猫にどんなことになるのでしょうか。まず心臓は肥った身体に血液を送るために動きを目いっぱい全力で働き続けなければなりません。その結果心臓は疲れ、速く老化が進みます。そして肥った身体を支えるために関節の老化も早く膝や肘に過重体重のため負担がかかりすぎ変形性関節症なりやすく、これは痛みを伴う非常に辛い病気であると思われます。(膝や肘は痩せていても太っていても関節の大きさは変わりません。体重が増えるともろに関節の負担が増加します。)

このほかにも肥満の影響はたくさんあります。 糖尿病にも罹りやすくなります。これは肥満が脂肪の代謝障害を引き起こし、膵臓に負担をかけすぎるためであろうと思われます。犬猫の糖尿病は非常につらく寿命を確実に縮めるものです。食欲増進、飲水の欲求が増加します。我慢するのが辛くなります。(人間でも辛いことです。)また肥満が犬猫に与える害はある種の皮膚病にもなりやすく治療も体質を改善しなくては長期の闘病生活になり、飼い主も犬猫も非常に困ることになります。また肥満の犬猫は尿閉症に罹りやすいように思われます。尿閉症は苦しく辛い危機的な病気です。そのため尿閉症の犬猫が痩せると症状が軽減されることも経験しています。(でも大多数の人間は太っている犬猫のほうがかわいいと思ってしまいますよね。)

なぜ太るのでしょうか。もちろん食べすぎです。 大体常におなかが減っている方が健康なのです。だから標準のペットフードの量を与えた時に10秒ほどで食べるのが本当の健康であるという意見もあるのです。短時間で丸呑みの食餌は人間からみれば良くなく、30回噛みなさいとよく親から言われました。でも犬猫は丸呑みでも消化液が強烈に強く消化されるので大丈夫です。10秒ではかわいそうと思い、ほとんどの人は追加の食餌を与えると思います。でも自然界に生きる野性動物の生態からすると短時間での摂食が生き残る秘訣であると思われます。いつ外敵が襲ってくるかも知れませんから。短時間に警戒しながら食餌を終了するのが自然界で生き延びるために一番大切なことなのかも知れません。自然界で肥満の動物は見当たりません。太っている余裕がないのかもしれません。追加の食餌は止めればいいのです。(飼い主にとっては非常につらいことです。)健康な犬猫はいくらでも欲しがります。追加の食餌は止めましょう。そして食べ残しの食餌はすぐにかたづけることです。いつまでも置いておくことは肥満だけではなく好き嫌いも増やします。人間と犬猫の食餌は違います。人間にとって良いものが犬猫に良いかというと全てが当てはまるとは限りません。また全ての年齢に適した万能な食餌も有得ません。年齢によって変えることが必要です。成犬に幼犬用の食餌を与えることもカロリーオーバーとなります。肥満は永遠のテーマであり一番陥り易い生活習慣病なのです。人間とおなじことが同時に進行しているのかも知れません。でも人間は自分でコントロールできますが犬猫は人がコントロールしてあげなければならないのです。自分の犬猫がかわいいと思ったら肥満にならないように努力しましょう

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