教える? 叱る?
犬の飼い方の相談を受け付けていると、こんな質問をされることがあります。
「うちの犬は○○しないんですけど、どうやって叱ったらよいのでしょう?」
トイレを覚えない、泥んこの足で人にとびつく、吠えて欲しくない人に吠える、呼んでも来ない、身体の手入れをさせない、いろいろな問題を解決するためには、とにかく犬を叱るしかないと思い込んでいる人、けっこういます。でも、本当にそうでしょうか?
犬達は、生まれて6ヶ月もすれば見た目はかなり大人になります。
でも、いくら大人の脳を持っていても、ほんの数ヶ月で人間の言葉や生活習慣をすべて理解できるはずはありません。
私達だって、いきなり外国に連れてゆかれ、何も教えてもらえなかったら、その国の言葉や生活習慣を理解するのに半年ではとても足りないでしょう。
何をすれば飼い主が喜んでくれるのかわかっていない犬を叱っても、犬はどうすれば良いのかわかりません。
何かと言えば大きな声をあげる飼い主を見て、何かあったらとにかく吠えればよいのだと思い込んでしまうかもしれません。
犬に一番初めに覚えてもらうのは、飼い主を大好きになる事です。
そのためには、きちんと犬の面倒をみること、安全、食事、休憩、遊びの要求をきちんと満たしてあげましょう。
次にすることは、犬の良いお手本になること。
犬に吠えて欲しくなかったら、大声で怒鳴らずに、静かに話しかけましょう。
トイレを覚えて欲しかったら、常に犬を観察して、排泄しそうな時にトイレに誘導してあげましょう。
落ち着いた環境の中で、何度もオスワリやオイデの練習をして、できたらほめてあげましょう。
そして、犬が誰かにとびついたり、道路に飛び出しそうになったら、「だめ」と叱るのではなく、「オスワリ」または「オイデ」と指示を出しましょう。
そうすれば、犬はどう行動すれば飼い主が喜ぶのか、理解してくれます。