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公益社団法人 栃木県獣医師会

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家畜伝染病予防法から法定伝染病3種について

家畜伝染病予防法で指定された家畜の伝染性疾病を総称して監視伝染病と呼びます。監視伝染病には、家畜伝染病26疾病と届出伝染病71疾病が指定され、発生予防やまん延防止の措置が取られています。
ここでは、近年発生がみられマスコミ等に取り上げられた3疾病を紹介します。3疾病とも摘発・とう汰方式で清浄化を推進します。

牛海綿状脳症(BSE)

プリオン(感染性蛋白質)を原因とする疾病で、異常プリオンを摂取することにより感染します。発症牛には、中枢神経障害に起因した異常行動、過敏症、不安、歩様異常、後躯麻痺、泌乳量の低下、一般健康状態の悪化などの症状が認められます。
日本では、平成13年の本病摘発後、食肉の安全性確保対策として、と畜時に特定危険部位除去等が実施され、また、牛への伝播防止対策として牛への肉骨粉の給与が規制されました。さらに、と畜される牛すべてと24か月齢以上の死亡牛を対象としたBSE検査が実施され、平成22年1月までに36頭が摘発されていますが、飼料規制実施直後(平成14年1月)に生まれた牛以降での発生はありません。
世界的には、イギリスを中心に1992年から計19万頭余りの発生がありましたが、各国とも対策が進展し発生は激減しています。

口蹄疫(FMD)

FMDウイルスを原因とする偶蹄類の病気で、発熱、元気消失、流涎、口、蹄、乳頭等への水疱形成などの症状を呈します。FMDウイルスは伝播が速く、発生すると社会的・経済的に深刻な事態を招く可能性があるため、国際獣疫事務局(OIE)の疾病リストA(最も重要な疾病)に分類され世界的に警戒されています。
OIEでワクチン非接種清浄国に認定されている国は世界で62か国ありますが、アジアでは、インドネシア、シンガポール、ブルネイの3か国のみです(平成22年6月現在)。
日本では、平成12年3月に92年ぶりに発生がありましたが、防疫対応の結果小規模の発生で治まり、同年9月には清浄国に復帰しました。しかし、平成22年4月に宮崎県で大きな流行があり、疑似患畜、ワクチン接種家畜等28万9千頭が殺処分され、地域経済のみならず社会生活に大きな影響を及ぼしています。

高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)

A型インフルエンザウイルスを原因とする家きんの病気です。A型インフルエンザウイルスは表面の蛋白質の違いにより、HA蛋白で16種、NA蛋白で9種に分けられます。家畜伝染病予防法では、発生時点で低病原性であっても鶏群内で伝播を繰り返したりして強病原性に変異する可能性があるため、H5及びH7亜型のウイルスによるものはすべてHPAIと定められています。
臨床症状は、産卵低下又は停止、神経症状、下痢などですが、甚急性例では症状を示す間もなく死亡します。感染家きん群では、死亡率が突然上昇します。
日本では、平成16年に79年ぶりに発生し、平成17年(弱毒タイプ)、平成19年、平成21年(うずら、弱毒タイプ)に発生しました。また、平成20年には、オオハクチョウでウイルスが確認され、野鳥からの感染の危険性が危惧されました。


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