皆さんが毎日飲んでいる牛乳は国内産でそのほとんどがホルスタイン種という種類の牛から酪農家が毎日搾っています。本来牛乳は生まれた仔牛のものですが人間が長い間をかけて改良しその量と質を飛躍的に高めて人のための完全食品と言われる物までにしてきました。
ここではホルスタイン種という乳用牛の乳量と乳質について話をしていきたいと思います。仔牛を生まなければ乳は出ませんが4~5回(年1回)お産をして1回のお産で年間8,000kg(10,000kg以上の牛もいます)位の牛乳がでます。300日程搾乳しますので1日当たり27kg(牛乳びんで135本)ということになります。
でも、生まれたばかりはそんなには多くはなく分娩後2ヶ月位で最高乳量となり6~7ヶ月後位からだんだん減り始めそして10ヶ月に入ると搾乳をやめ2ヶ月間の乾乳期間に入り、次のお産の準備をします。
お産して最初の5日間の牛乳(初乳といいます)は仔牛が病気をせず元気に育つために必要な栄養素がたっぷりです。2倍の脂肪分・無脂固形分・カルシウム、4倍のタンパク質、病気を防ぐ免疫グロブリン(IgG)は5倍、ビタミンEは6倍、ビタミンAにいたっては9倍まさに栄養のかたまりです。
10日ほどたつと仔牛は生乳から人工乳に変わり乾草なども食べ始めます。それからは母牛にたっぷりと餌を与え朝夕2回の搾乳が始まります。乳成分は脂肪分3.6%、無脂固形分8.6%となり(成分無調整で市販されています)多い牛は1日70kg(牛乳びんで350本)もの牛乳を生産します。
季節によっても変動します。乳牛は特に暑さに弱く夏場は乳量、乳質共に低下します。
そのため酪農家は暑熱対策にたいへん気を使っています、どこの牛舎も大型扇風機が何台も回っています。
牛は大変デリケートな動物です、搾る人が変わったり餌が変わったりすると、たちどころに乳量、乳質に影響し回復するのに大変時間がかかります。
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