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公益社団法人 栃木県獣医師会

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世界の牛の種類

世界の牛の種類 その1

皆さんは、ウシというと何をイメージしますか?
ほとんどの人は広い草原でのんびり草を食べている白黒まだらの牛を想像すると思います。よく牛乳メーカーのCMで出てくるこの牛はオランダ原産のホルスタイン種と言います。そして日本で乳牛といえばほとんどこの牛です。ホルスタイン種は何といっても、牛乳をたくさん出します。だから酪農家(乳牛を飼う農家)の経営に大きく貢献しています。ホルスタイン牛は牛乳をたくさん出すために1日20~30kgの草や穀物を食べます。
また、日本では牛肉はとても高級な印象がありませんか? 世界でも有名な霜降りのコーベビーフや松坂牛などの高級な牛肉は、日本在来の牛から改良された黒毛和種のお肉であり、味だけでなく見た目にも美しく、最高の肉質を誇ります。肉質を良くするために農家は細心の注意を払いながら、牛を飼います。えさの量はホルスタインよりは少ないけれど10kg近い配合された飼料とわらなどを食べます。栃木県でも、先ほどのブランド牛に肉質で肩を並べる黒毛和種が多く飼われています。とちぎ和牛に代表される県産和牛は、比較的リーズナブルな価格で地元のお肉屋さん等で手に入ります。ぜひご利用ください。


このように家畜である牛は、ホルスタインなどの乳用牛と黒毛和種を代表とする肉用牛、そしてもうひとつ、日本ではめったに見ないのですがブラウンスイス種のような乳肉兼用種に分かれます。乳肉兼用種とは、字の通り牛乳もお肉も利用できる種類のことで、チーズやハンバーグ等で様々なメニューを持ち、牛の食文化が進んでいる(牛に関しては、たいがいの物をおいしく食べることができる)ヨーロッパに多く見られます。県内では、日光市の大笹牧場にブラウンスイス種がいます。ブラウンスイスの牛乳やソフトクリームは、ホルスタインの物とはちょっと違う濃さがあります。興味のある方は、ぜひ大笹牧場に行ってみてください。
またアジアの一部の地域ではまだ役牛(農耕や運搬などの動力として使う)が存在します。日本でも40年ほど前のまだトラクターのないころに、役牛は活躍していました。

世界の牛の種類 その2

牛を飼養目的で分けると乳用、肉用、乳肉兼用そして役牛の4種類に別れることは、前回説明しましたが、では品種としては何種類くらいの牛が世界に存在するでしょうか?その数は純粋種で約50種類にも及びます。しかし肉用牛の場合、海外で実際に食卓に上るお肉はそういった純粋種ではありません。多くは異なる純粋種同士の交雑種です。なぜでしょう?それはそれぞれの純粋種の良いところを利用したほうが効率がよいからです。例えばお肉の柔らかくて小さい牛と、お肉は硬いけど大きくなる牛からできた子は大きくてお肉のやわらかい牛になります。実際はこんなに単純ではありませんが、肉牛の世界ではこの考え方は常識です。ですから輸入牛肉は○○種という純粋種の牛肉ではないことが多いと思います。つまり交雑種まで含めれば牛の種類は、どれくらいあるかわかりません。またそうした結果、飼いやすさもあって牛の数は地球上で2番目に多い哺乳類となりました(もちろん一番は人間)。では純粋種をお肉とする例外はあるのでしょうか?それは前に出た日本の和牛であり、純粋種をそのままお肉として食べることはお肉の品質からだけではなく育種上からも極めて贅沢といえるでしょう。

純粋種の種類を詳細に知りたい方は図鑑やインターネットで調べてもらうとして、前回にも県内で見られる品種をその都度紹介してきましたが、ほかに那須高原の南ヶ丘牧場のガンジー牛(牧場ではガーンジー牛と呼んでいます)を紹介します。ガンジー牛はイギリスのガンジー島原産の乳用種で日本ではわずかしか飼われていません。ホルスタインとは違い牛乳が多く搾れないので、一般の酪農家には普及しませんでした。しかし牛乳の味は最高といわれ、ゴールデンミルクと呼ばれるほどだそうです。甘さを強く感じるミルクはまさにゴールデンな味わいです。またガンジー牛は茶白のまだらでホルスタインとは違うかわいらしさがあります。
さらに海外では肉用牛は交雑種が多いと前に書きましたが、日本でも肉用の交雑種があります。通称F1(エフワン)とよばれ、父が黒毛和種、母がホルスタインです。ホルスタインの大きくなる特性と黒毛和牛の肉質のよさを合わせ持った牛です。スーパーなどでは特に交雑牛とかF1の表示はなくて、ブランド牛の○○牛(国内の地域名が入ることが多く、黒毛和牛の文字が前後に入っていないが肉質が和牛に近い 例.とちぎ霧降高原牛etc.)としてみなさんの目に触れることが多いかと思います。

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