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公益社団法人 栃木県獣医師会

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土づくり、草づくり、牛づくり(家畜ふん尿の活用方法)

栃木県は、牛乳生産量が北海道に次いで全国第2位と酪農が非常に盛んで、県内では約59,000頭の乳牛が飼養されています。また、肉牛(約101,000頭)や養豚(約358,000頭)の飼養頭数も多い畜産県です。
畜産業からは、毎日、多量の家畜ふん尿が排出され、県全体では、一年間に約300万トンの家畜ふん尿が排出されています。畜産農家では、これらのふん尿を原料に堆肥や液肥を製造し、飼料作物を作るほ場に還元したり、耕種・園芸農家などに流通させ、土づくり資源として有効に循環利用しています。

1 堆肥化の目的
家畜のふん尿には肥料要素が含まれていますが、どろどろで臭いもあり汚くて多くの人はそのままでは使いたくありません。これは、水分が多くアミノ酸や糖類など分解されやすい有機物を多く含んでいるためです。これらを微生物により好気発酵させることで、「扱いやすい」、「衛生的」、「作物への害がない」など様々な利点をもった有機質資材(堆肥)へと変化させることが出来ます。

2 堆肥の効果
堆肥の利用は、「土壌への養分供給」、「土壌の理化学性の改善」、「土壌の生物性の改善」の3つの効果を期待することが出来ます。

  1. 土壌への養分供給
    • 堆肥には、肥料3要素である「窒素(N)」、「リン酸(P)」、「加里(K)」が含まれています。施用された堆肥中の窒素は、すぐに作物に吸収利用される訳ではなく土壌中に蓄積されて、地力窒素として徐々に作物に利用されます。リン酸は、速効性、緩行性両方の効果が期待できます。加里は、大部分が水溶性で化学肥料と同じように速効性です。
    • また、肥料3要素の他、苦土や石灰、銅、亜鉛なども含まれ、総合的な養分を供給することが出来ます。
  2. 土壌の理化学性の改善
    • 堆肥を施用すると土壌中の腐食含量が増加して、微生物活動が盛んになり多くの空間が形成(団粒構造)され、「水はけが良く水持ちの良い土壌」となり植物も根が張りやすく元気に成長出来ます。
  3. 土壌の生物性の改善
    • 堆肥の施用により、土壌中の微生物やミミズなど小動物の生活環境が改善され、その増殖や活動が盛んになり、その結果、地力や物質循環が向上します。また、微生物活動の盛んな土壌では、一部の有害な細菌の活動が抑えられることが知られています。
土づくり、草づくり、牛づくり
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