当たり前のことですが、牛は自分の病状についてしゃべってくれないので、牛をよく観察している畜主である農家から牛の様子・経緯を聞いて判断します。
牛に注射や点滴をする時には、動物が動かないように保定しなければなりません。
人間が押さえるくらいではダメなので、ロープを頭にかけ動きづらいようにし、動かすときもロープをひっぱって移動させます。
これは、ビニール製の長い手袋をはめて、牛の肛門から腕を肩口まで差し入れ、手や指で直腸を隔てて内臓や卵巣・子宮・泌尿器を診察します。
妊娠鑑定や繁殖障害など産科関係の診断に用いられます。
乳牛は牛乳を出し続けるためには、出産は不可欠です。
人工授精は凍結保管された精液を使用することによって、長期に渡って優秀な家畜を効率的に生産できることや種付のために家畜を移動させる必要がないというメリットがあります。
肉牛のおなかの中でできた受精卵を、乳牛のおなかに移植します。
そうすることで、妊娠し出産した乳牛は牛乳を出し、高値の肉牛が生まれてきます。
また、受精卵移植の技術を用いると、短期間で優秀な牛の仔牛を何頭も得ることができます。
1、感染性の病気 乳房炎・皮膚病・寄生虫病
2、外科疾患 骨折・脱臼
3、生産病 ケトージス・脂肪肝・分娩前後の起立不能症
生産者である農家は、できるだけ効率的に経営していかないと生計が立てられません。
乳牛が骨折し回復に時間がかかり乳の出も悪くなってしまったりしたら、これは食肉にしなければなりません。
病気の場合も薬の種類によって、残留を防ぐため食肉にしてはいけない期間が決められているため、薬の投与を中止することもあります。
獣医師がこの判断を誤ると、畜産農家に大変な損害を与えてしまうことになります。
また、食の安全を守ることも大切な仕事です。
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