岩上会長挨拶
第60回栃木県獣医師会総会に当り、御挨拶申し上げます。
本日は、県より畜産振興課長 吉沢崇様、生活衛生課長 内田雄三様、日本獣医師会から山根義久会長、北村直人顧問、動薬協の猪瀬会長をはじめとして、御来賓の方々並びに会員の皆様には、御多忙中のところ御出席いただきまして誠に有難うございます。
さて、平成18年度は、4月に事務局長が変わりましたが、その直後の5月に所得税法に基づく法定監査ということで、宇都宮税務署が調査に入りました。
源泉税の件をはじめ、各支部の会計について詳細な調査があり、数ヶ所の改善を行ったところであります。
年度初めの事であり、激動を予想される出だしでありましたが、その通り様々な事がありました。
産業動物におきましては、エネルギー危機が叫ばれる中、トウモロコシ等を使ったバイオエネルギーへの転換が急速に進み、飼料の高騰を招いております。
そんな中、栃酪による診療費の乳代控除の有料化や、起立不能牛への適切な対応ができていないとか、畜産業のかかえる矛盾が現れています。
県獣レベルで解決できることだけではありませんが、国内2位の酪農県ということから、最も早く影響がでることが予想されますので、国際的な動向を見据えての対応が必要です。
学校飼育動物については、会員の皆様の大変な努力によって、学校等より高い評価を得ております。
各自治体でも独自に予算を計上し、実施される様になっております。
一方で県の予算は減少しております。
今までの評価を得て、学校獣医師制度という方向への転換期にきていると考えております。
高度医療を求める社会のニーズを反映して、小動物志向の獣医師が増加していますが、獣医師の大事な使命のひとつに、国民を共通感染症から守るということがあります。
県内のホームセンターに於いて、狂犬病集合注射と称して、商業主義的な診療、販売行為が行われました。
本会としては、様々な方法で対応しておりますが、ここに勤める獣医師も本来、仲間の一人なのです。
獣医学教育の目的が、従来の畜産動物の予防・治療ということから、それに加えて愛玩動物に対する獣医師の養成へ変わってきています。
従って、最も大切な獣医倫理の新しい構築が必要であり、この確立がなければ、ますます混乱が深まると考えます。
自分達は本来すべきことは何なのか、このことを考えて実行していくことが大切と考えます。
次に、かねてより獣医師会が要望しておりました「野生鳥獣との適切な関係」をさぐる型での鳥獣保護計画が作成され、これから5年間、実施されることになりました。
産業優先政策により自然破壊が進み、生態系が乱れた結果、猿・鹿・熊・カラス等をはじめ、野生鳥獣との共存に一層のほころびが出ています。
人間は地球からの恵みを受けています。
生態系の適正な維持なくしては、人間の生存すら危ぶまれるところです。
人以外の動物のスペシャリストとして、様々な方面から協力していく所存です。
これらのことをふまえて、本年度は2つの大きなことがあります。
まず、60年間の総括と更なる発展をするために、11月18日に60周年記念大会を開催します。
又、今年の末には新しい公益法人の基準が発表される予定です。
本会は、公益法人を目指しておりますので、定款をじはじめ、組織の大幅な変更が必要になります。
皆様の御指導をお願いするところです。
本日は第1号議案から第7号議案まで、提出しておりますので、充分なご審議をお願い致しまして、私の挨拶と致します。
平成19年6月3日
栃木県獣医師会 会長 岩上 一紘
![]() |
〒320-0032 栃木県宇都宮市昭和1丁目1-23 TEL:028-622-7793 FAX:028-621-9660 |
![]() |